・会社から在庫を減らせ!と言われているけど、何で在庫を減らさないといけないんだろう?
・在庫を減らさないといけない理由はなんとなく分かっているんだけど、具体的に説明してと言われてもできないなぁ。。
説明できるようになりたいなぁ。
今回はこんな疑問にお応えする記事です。
“仕掛品在庫の削減”は工場経理をしているとよく耳にする言葉だと思います。
工場長から直接指示が飛んでくるかもしれません。
今回は仕掛品在庫を削減しなければいけない理由を解説していきます。
お金をどんどん回して事業活動を行う必要があるため
仕掛品は後に製品になるものですので、売れれば将来お金に変わります。
工場にいると感覚が鈍くなってしまうのですが、仕掛品は工場(会社)の資産であり、いうなればお金と一緒です。
そんな将来お金に変わる仕掛品がずっと在庫として残っているということは、ずっとお金が放置され、何も生み出さないのと同じです。
例えると今の銀行預金でしょうか。
今銀行に預けていても利子が低すぎて、ほとんど何も生み出しませんよね。
それなら株式投資をして配当金を得た方がよっぽど得だ、と考えて株式投資を行っている方も多いと思います。
メーカーで仕事をしている以上、ものを作って販売してお金を得ることになります。
その後そのお金は従業員の給料だったり、工場の設備投資だったり、原料を買い付ける資金になります。
よって、製品を売ってお金を回収して給与の支払いや設備投資をする、というサイクルをぐるぐる回していきますので、仕掛品(お金)が滞留していては事業活動ができません。
だから仕掛品在庫削減は重要なんです。
ずっと工場にいると感覚が麻痺してきて、ただのものとしてしか見られないかもしれませんが、仕掛品=お金なので、在庫を減らす取り組みをしていきましょう。
管理コストが掛かるため
工場内に在庫を保管しているだけで管理コストが掛かります。
その在庫を管理する方の人件費や経費が掛かり、また土地・建物にも固定資産税が掛かっているため、保管している面積分のコストが掛かっています。
また外部に倉庫を借りている場合は、倉庫代をずっと払い続けることになります。
何のお金も生み出さないものにお金を払いたくありませんよね?
例えばあなたの家族の持ち物が多くなりすぎて倉庫を借りた場合、”早くものを減らして倉庫借りないようにしてくれよ・・”と思いませんか?
家計でしたらそう思うのですが、会社のこととなると自分のことのように思えず、在庫増→外部倉庫を借りる、という思考になりがちです。
外部倉庫を借りる前に在庫を減らす手がないか考えるようにしましょう。
会社のお金だから関係ない、ではなく家計のことと思ってもらえればコストも減らせると感じます。
品質リスクがあるため
製品を一定期間置いておくことは、劣化などの品質リスクを高めることになります。
もし製品が劣化した場合、屑になりコストが掛かる可能性もあります。
一定期間置いておくと後々お客様にお渡しできる製品なのかどうかを確認する必要も出てきますので、やはり仕掛品在庫をためずにどんどん次の工程に回していくことが最適です。
本日のまとめ
仕掛品在庫を削減しなければいけない理由について、下記の3点を挙げました。
・お金をどんどん回して事業活動を行う必要があるため
・管理コストが掛かるため
・品質リスクがあるため
結局のところ、全てお金に関わることです。
工場経理をされる方には、基準在庫の指標を設けて増えてきたらアラームを鳴らす、倉庫代がこれだけ掛かっているということを周知して削減に努める、等のできることがあります。
見て見ぬフリをせずに、少しでも仕掛品の在庫削減ができるように改善活動を行っていきましょう。