・何の準備もしていないのに工場経理に配属になっちゃった!
何を知っておけば良いんだろう?
・全然時間がない!最低限知っていけば良い内容を知りたいな。
今回はこんな疑問・不安に応える記事です。
工場の経理をすると、工場経理のことだけでなく経理関連のことを色々と聞かれます。
今回は工場経理になりたての方や他職種から異動・転職されたばかりで時間がないけど不安な方に向けて、最低限覚えておきたいことを3つお伝えします。
PLの5つの利益
工場経理をしているとほとんどが製造原価(売上原価)の部分の業務となりますが、経理担当者としてPL(損益計算書)の5つの利益を把握していることは重要です。
最近ではBSが大事と言われてはいますが、まだまだPLの重要性が高い会社が多いと思います。
また工場の方は生産・設備の知識はあっても、会計知識を持っている方はあまりいません。
工場幹部の方でも会計知識があやふやな方がいます。
そこで工場経理担当者として5つの利益はしっかりと覚えておきましょう。
国際会計基準(IFRS)を採用している会社もあると思いますが、ここでは日本基準のPLの5つの利益を紹介します。
・日本基準のPLの5つの利益
①売上総利益(粗利)
②営業利益
③経常利益
④税引前当期純利益
⑤当期純利益
①売上総利益(粗利)は売上ー売上原価で算出します。
工場経理としては売上原価の部分の管理・改善を行いますので、この売上総利益(粗利)を最大化することに注力しましょう。
②営業利益は売上総利益ー販管費で算出し、本業の儲けを表します。
事業部門に所属していると、この営業利益の議論が各会議での中心となります。
③経常利益は営業利益+営業外収益ー営業外費用で算出します。
“営業外”についてですが、例えば私のようにメーカーで配当金や支払利子等の金融収支があったとします。
この場合、金融収支は本業ではない”営業外”の収支ですから、配当金=営業外収益、支払利子=営業外費用で処理して営業利益に加減します。
④税引前当期純利益は経常利益+特別利益ー特別損失で算出します。
特別利益/損失は事業外のことで突発的に発生したものです。
例えば固定資産の廃棄損/益や減損損失が該当します。
⑤当期純利益は税引前当期純利益ー法人税等で算出します。
工場経理をしていますと、売上原価や固定資産廃却損/益の特別利益/特別損失に関わることが多いですが、PL自体の構造について知っておくと実務にも役立ち、また聞かれることもありますので把握しておきましょう。
BSの棚卸資産と固定資産
次はBS(貸借対照表)の一部の勘定科目です。
棚卸資産に含まれる仕掛品と貯蔵品、それと固定資産に含まれる有形固定資産だけは覚えておきましょう。
仕掛品は後に製品となる材料で、期末に実棚卸を行い、原価計算を行った結果の理論在庫と照合します。
工場(会社)の財産であり、メーカーの稼ぐタネなので大事です。
イメージがしやすいように仕掛品棚卸の会計士監査の記事を紹介しますので、興味のある方は下記から参照下さい。
貯蔵品は経費で使用したものの期末時点で未使用のものを指していて、工場では設備予備品などが対象となり、件数も多いものですので覚えておきましょう。
貯蔵品についても下記の記事を参照下さい。
固定資産は皆さんのご想像の通り、機械装置等の設備を指します。
かなりの件数がありますが、工場(会社)の財産ですので正しく減価償却費の計算や廃棄処理等の会計処理をし、正しく固定資産の把握をする必要があります。
固定資産棚卸については下記の記事を参照下さい。
経理をやっていればもちろんBSの他の勘定科目も見る必要がありますが、取り急ぎ工場経理で必要なものは上記の通りですのでまだ知らないという方は覚えておきましょう。
自社の製造原価の勘定科目の一覧表
最後の一つは覚えておくというよりは、会計処理時に困ったら必ず見ることになるので、自社の製造原価の勘定科目の一覧表に目を通しておきましょう。
勉強と実務では異なることが多々あり、それぞれの会社特有の会計処理があるはずです。
伝票を起票したり、何かを分析をしているときに、困ったら人に聞く前に勘定科目の定義がどうなっているかを確認しましょう。
私も他の部署から質問されたり、伝票を起票するときに困ったときの心の拠り所としてすぐに見られる場所に置いておきました。
会社の勘定科目一覧表なので、先人の方たちが様々な場面で処理した結果を基にして勘定科目表が作られているはずなので、確認しておいて損はないです。
まとめ
工場経理をするときに最低限覚えておきたいこと3つ、として下記の3つを挙げました。
①PLの5つの利益
②BSの棚卸資産と固定資産
③自社の製造原価の勘定科目の一覧表
これらはどれも重要なことですが、工場経理として覚えておく知識のうち最低限のことに過ぎません。
覚えていない方は実務経験を積みながら覚えていきましょう。
最後までお読み頂き、ありがとうございました。