・工場経理に興味があるんだけど、どういう業務をするんだろう?
・工場経理に就く予定だけど、おおまかな業務内容を知りたいな。
今回はそんな疑問にお応えする記事で、工場経理の月次・年次業務を紹介していきます。
これから工場経理に付かれる方、また工場経理に付きたい方は、工場経理がどういった業務をするのかわからず不安に思っていらっしゃるかもしれませんので、そういった方々に少しでもお役に立てれば幸いです。
工場経理の月次業務について
まず工場経理の月次業務です。
工場経理業務を行う上で避けて通れないのが月次決算業務です。
月次決算を締めるために、月末から翌月の操業6〜7日目頃まで決算業務を行います。
決算業務で代表的なものが、本社経理でも行う伝票処理業務です。
伝票処理業務とは、届いた請求書に対する支払いの伝票を起票したり、相手方に請求をする未収入金の伝票を起票したりすることを指します。
それ以外にも社内の管理上で重要な計上部門の振替や、勘定科目間違いの振替等、色々な種類の伝票があります。
一方で工場経理の月次決算業務で特徴的なのは、やはりモノを作っていますので、原料・材料関係の決算処理が多いことで、原料の払出・仕入、屑計算、仕掛品計算などがあります。
原料の払出・仕入伝票処理であれば、原料の倉庫担当者から月次の原料払出・仕入結果の資料が届くので、それを基に伝票起票をします。
なお、払出・仕入件数の多い倉庫であれば、原料払出・仕入処理がシステム化されて、自動連携により伝票起票される場合もあります。
私は複数の工場勤務を経験しましたが、自分で伝票起票したこともありますし、自動連携による伝票を確認したこともありますので、工場により様々だと思います。
また屑計算も、各現場からどれだけ屑を出したかまとめた資料をもらい、屑計算をして伝票起票します。
それから、固定資産会計処理も固定資産の多い工場経理特有の業務です。
固定資産会計処理は、建設仮勘定から固定資産に振り替える新規取得、固定資産を廃却・売却する廃売却処理、減価償却費処理があります。
多くの工場の場合、固定資産の件数が多いために固定資産システムを導入し、その固定資産システムに新規取得や廃売却の結果をインプットし、当月に固定資産の動きがどれだけあったかをおさえます。
その後、システムに減価償却費の計算をさせて、減価償却費の計上をします。
なお、新規取得や廃売却は、主に設備の管理をしている設備課から資料を提出してもらうことが多いです。
このように、工場経理業務は様々な部門とやり取りをすることで決算を締めることができます。
業務を円滑に進められるように、日頃から意識して現場の方々と頻度高くコミュニケーションを取るように行動しましょう。
次に決算が締まったら終わったら、当月の原価実績分析をします。
分析方法は会社により様々と思いますが、基本的には比較期を当月予算や前年同月として分析をします。
私の会社では製品一つ当たりの原価を予算・前年と比較してどうだったかを報告しています。
報告資料には数字を並べるだけでなく、決算発表であるような階段グラフを作成して分析すると視覚的にわかりやすくなり、報告もしやすくなります。
工場経理の主な月次業務
・伝票処理業務
・原料の払出・仕入、屑計算、仕掛品計算
・固定資産会計処理
・原価実績分析
工場経理の年次業務について
続いて年次業務ですが、工場経理で代表的なものとして半期に一回の棚卸業務があります。
12月決算の会社の場合は、6月末、12月末に棚卸を行います。
3月決算の会社の場合は、9月末、3月末に棚卸を行います。
棚卸のときは正しく在庫をカウントするために工場の生産を停止して、工場で働く方全員で棚卸を行いますので一大イベントです。
また、棚卸のときは会計士監査が入る可能性もありますので、注意が必要です。
別の記事で会計士監査の話をしていますので、参考までにご確認下さい。
次に予算策定業務があります。
12月決算の会社は、1月から事業が始まりますので、その前の11〜12月に予算業務を行います。
3月決算の会社は、4月から事業が始まりますので、その前の2〜3月に予算業務を行います。
注意点としては、通常の月次決算に加えて予算業務も行いますので、予算業務を行っている間はかなり忙しくなります。
期末決算時期も忙しくなるのですが、私の場合は予算業務の方が辛かったです。
それから1月には償却資産税申告があります。
償却資産税申告とは、前年1〜12月の間に新規取得した固定資産がどれだけで、廃売却した固定資産がどれだけあったかを、工場のある地域の役所に申告することです。
その申告内容を基に当年の4月から支払う固定資産税が決まりますので、非常に重要な業務になります。
納期は基本的には1月末ですので、12月決算の会社は期末決算と業務を行う時期が重複します。
業務分担、納期をしっかりとメンバーと共有して、業務のモレがないように業務を進めていきましょう。
本日のまとめ
本日は工場経理の月次・年次業務を紹介しました。
・月次業務
①月次決算業務、②実績分析 など
・年次業務
①棚卸業務、②予算策定業務、③償却資産税申告業務 など
繁忙期・閑散期が工場によって異なると思いますが、モレのないように業務を進めていきましょう。